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アレルギー体質は変えられるのか
くしゃみ、鼻水、皮膚のかゆみ。アレルギー症状に悩まされる多くの人は「自分は生まれつきのアレルギー体質だから仕方がない」と諦めに似た気持ちを抱いているかもしれません。確かにアレルギーのなりやすさには遺伝的な要因が大きく関わっています。両親が何らかのアレルギーを持っているとその子どももアレルギーを発症するリスクは高くなります。しかし「体質は一生変えられない固定されたもの」なのでしょうか。答えはノーです。アレルギー体質とは免疫システムが特定の物質に対して過剰に反応しやすい「状態」のことです。そしてこの「状態」は遺伝という生まれ持った土台の上に日々の食事や生活習慣、ストレス、腸内環境といった様々な「後天的な要因」が積み重なることによって形成されています。つまり遺伝という変えられない部分があったとしてもその上に乗っている後天的な要因を意識的に変えていくことで、アレルギー体質をより症状の出にくい穏やかな状態へと改善していくことは十分に可能なのです。そのための重要な鍵を握るのが「腸内環境」と「自律神経」です。まず腸は体全体の免疫システムの約7割が集まる最大の免疫器官です。腸内の善玉菌を増やし腸内フローラのバランスを整えることは、免疫システムの暴走を抑えアレルギー反応を正常化させる上で不可欠です。食物繊維や発酵食品を積極的に摂る「腸活」は体質改善の基本の「き」と言えます。次に自律神経です。ストレスや睡眠不足、不規則な生活は自律神経のバランスを乱し免疫システムを過敏な状態にしてしまいます。リラックスする時間を作り質の良い睡眠を確保し適度な運動をすることは、自律神経を整えアレルギー症状を緩和させることに繋がります。これらの食事、運動、睡眠といった生活の基本的な部分を見直し地道にそして継続的に良い習慣を積み重ねていくこと。それは遠回りのように見えて実はアレルギーという根深い体質を根本から変えていくための最も確実で王道のアプローチなのです。