子どもによく見られる水いぼですが、大人が発症した場合、どのように対処すべきか、放置しても自然に治るのか気になる方もいるでしょう。水いぼは、伝染性軟属腫ウイルスによる良性の皮膚疾患であり、基本的には自然治癒する傾向があります。特に子どもの場合は、数ヶ月から一年程度で自然に消えていくことが多いと言われています。しかし、大人の水いぼの場合、いくつかの点で子どもとは異なる側面があり、放置することのリスクも考慮する必要があります。まず、大人の水いぼは、子どもに比べて治癒までに時間がかかることがあると言われています。免疫力の状態や皮膚のバリア機能などが影響していると考えられます。長期間にわたり水いぼが存在すると、その間に自家接種(自分で自分の他の部位にうつしてしまうこと)によって数が増えたり、範囲が広がったりする可能性があります。また、見た目の問題から精神的なストレスを感じる方もいるかもしれません。さらに重要なのは、他者への感染リスクです。水いぼは接触によって感染するため、家族やパートナー、あるいは職場などで周囲の人にうつしてしまう可能性があります。特に、家庭内に小さなお子さんや免疫力が低下している方がいる場合は、感染拡大を防ぐための配慮が必要です。性行為を介して感染した場合は、パートナーへの感染を防ぐためにも適切な対応が求められます。また、稀ではありますが、水いぼと似た症状を示す他の皮膚疾患(例えば、尋常性疣贅や尖圭コンジローマ、毛嚢炎など)の可能性も否定できません。自己判断で「水いぼだろう」と放置してしまうと、適切な治療が遅れることもあり得ます。特に、陰部やその周辺にできた場合は、性感染症の可能性も考慮し、専門医の診断を受けることが重要です。以上のことから、大人が水いぼを発症した場合は、放置せずに一度皮膚科を受診することをお勧めします。医師は、症状や状況に応じて、自然治癒を待つか、あるいは積極的に治療を行うか、そして他者への感染を防ぐためのアドバイスなど、適切な方針を示してくれます。
大人が水いぼになったら放置しても大丈夫?