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乳腺炎と乳がんの違い心配な時の相談先
乳房にしこりや痛み、皮膚の変化などが現れると、多くの方が「もしかして乳がんでは?」と不安に感じるかもしれません。特に乳腺炎の症状は、時に乳がんの症状と似ている部分があるため、自己判断は非常に危険です。乳腺炎と乳がんの主な症状の比較と、心配な時の適切な相談先について理解しておくことが大切です。乳腺炎では、乳房のしこり、痛み(特にズキズキとした拍動性の痛みや圧痛)、熱感、皮膚の発赤や腫れなどが急激に現れることが多いです。高熱や悪寒といった全身症状を伴うこともあります。一方、乳がんの初期症状としては、痛みを伴わない硬いしこりが最も一般的です。ただし、炎症性乳がんという特殊なタイプでは、乳腺炎のように乳房の赤み、腫れ、熱感、痛みが急速に現れることがあります。この炎症性乳がんは進行が速く、早期診断と治療開始が極めて重要です。また、乳がんでは、乳頭からの血性の分泌物、乳頭の陥凹やびらん、皮膚のひきつれ(えくぼサイン)などが見られることもあります。これらの症状は、乳腺炎では比較的少ないものです。しかし、これらの症状だけで乳腺炎か乳がんかを正確に見分けることは専門医でも難しく、画像検査(マンモグラフィや超音波検査)や、場合によっては細胞診や組織診(生検)といった精密検査が必要になります。乳房に何らかの異常を感じたら、自己判断せずに必ず医療機関を受診してください。相談先としては、乳腺外科が最も専門的な診療科です。乳腺外科医は、乳腺炎と乳がんの両方の診断と治療に精通しており、適切な検査を通じて正確な診断を下してくれます。産婦人科でも乳腺炎の診療は行っていますが、乳がんの疑いが強い場合や鑑別が必要な場合は、乳腺外科を紹介されることが一般的です。乳がん検診を定期的に受けることも、乳がんの早期発見には非常に重要です。不安を抱えたまま過ごすのではなく、専門医に相談し、正しい診断を受けることが、心身の健康を守るための第一歩です。