RSウイルス感染症は、乳幼児を中心に冬季に流行することが多い呼吸器感染症です。高熱や鼻水、咳といった症状が現れますが、特に保護者の方が気になるのは、熱が下がった後も続く「治りかけの咳」がいつまで続くのかという点でしょう。RSウイルス感染症による咳は、他の風邪症状が改善した後も、比較的長く続く傾向があります。一般的には、急性期の激しい咳は数日から一週間程度で落ち着いてきますが、その後もゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴を伴う咳や、痰が絡んだような湿った咳が残ることが少なくありません。この治りかけの咳は、個人差が大きいものの、短い場合で一週間程度、長い場合には三週間から四週間程度続くこともあります。特に、もともと気管支が弱いお子さんや、アレルギー体質のお子さんの場合、咳が長引きやすいと言われています。なぜRSウイルスの咳は長引くのでしょうか。これは、RSウイルスが気管支や細気管支といった下気道に炎症を引き起こしやすく、その炎症が治まるまでに時間がかかるためです。また、ウイルス感染によって気道が過敏な状態になり、少しの刺激(冷たい空気やホコリ、アレルゲンなど)でも咳が出やすくなることも一因と考えられます。治りかけの咳が続く間は、加湿器などで室内の湿度を適切に保ち、こまめに水分補給をさせることが大切です。また、タバコの煙やハウスダストなど、咳を誘発する可能性のあるものは避けるようにしましょう。咳がひどくて眠れない、呼吸が苦しそう、顔色が悪いといった場合は、単なる治りかけの咳ではなく、気管支炎や肺炎、あるいは喘息発作などを起こしている可能性も考えられます。そのような場合は、速やかに医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしてください。医師は、症状や状態に応じて、気管支拡張薬や去痰薬、場合によっては吸入薬などを処方してくれることがあります。
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