夏の暑い日には、つい冷たい飲み物に手が伸びがちですが、夏バテで胃もたれを感じている時には、飲み物の選び方にも注意が必要です。誤った飲み物の選択は、かえって胃腸に負担をかけ、症状を悪化させてしまう可能性があります。まず、最も避けたいのは、キンキンに冷えた飲み物です。冷たすぎる飲み物は、胃腸を直接冷やし、血管を収縮させて血行を悪くします。その結果、消化酵素の働きが鈍り、胃の蠕動運動も低下して、胃もたれや消化不良を引き起こしやすくなります。炭酸飲料も注意が必要です。炭酸ガスが胃を刺激し、ゲップや腹部膨満感の原因となることがあります。また、多くの炭酸飲料には多量の糖分が含まれており、これも胃に負担をかける可能性があります。コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれるカフェインも、胃酸の分泌を促進する作用があるため、胃が弱っている時には刺激となり、胃もたれや胸焼けを悪化させることがあります。同様に、アルコール飲料も胃の粘膜を刺激し、炎症を引き起こす可能性があるため、夏バテで胃腸が弱っている時は控えるのが賢明です。では、どのような飲み物が適しているのでしょうか。基本的には、常温か、少し温かい程度のものがおすすめです。白湯は、胃腸に優しく、体を内側から温めて血行を促進し、消化機能を助ける効果が期待できます。麦茶やほうじ茶など、ノンカフェインで刺激の少ないお茶も良いでしょう。また、適度な塩分と糖分を含む経口補水液は、脱水症状の予防だけでなく、胃腸への吸収もスムーズなため、夏バテ時には適しています。生姜湯やカモミールティーなどのハーブティーも、体を温めたり、リラックス効果があったりして、胃腸の調子を整えるのに役立つ場合があります。ただし、いずれの飲み物も、一度に大量に飲むのではなく、少量ずつこまめに摂取することが大切です。自分の体調と相談しながら、胃腸に優しい飲み物を選びましょう。