新型コロナウイルスに感染し、自宅療養を余儀なくされた際、最も多くの人を苦しめるのが激しい喉の痛みです。病院での処方薬がある場合でも、痛みのピーク時にはそれだけで不十分なことも多く、日常生活の中でいかに痛みをコントロールするかが回復への質を左右します。まず最初に取り組むべきは、徹底した加湿です。喉の粘膜は乾燥すると防御機能が低下し、炎症がさらに悪化するため、部屋の湿度は常に60%以上を維持するようにしてください。加湿器がない場合は、濡れたバスタオルを数枚部屋に干すだけでも効果があります。また、就寝時にはマスクを着用することで、自分自身の呼気に含まれる水分で喉の湿度を保つことができます。次に、水分補給の仕方にも工夫が必要です。一度に大量の水を飲むと喉に負担がかかるため、常温の水や温かいお茶を数分おきに一口ずつ「喉を湿らせるように」飲むのがコツです。冷たすぎる飲み物は一時的に感覚を麻痺させますが、後で血管が拡張して痛みが強まることがあるため、基本的には人肌程度の温度が推奨されます。食べ物については、刺激物を避けるのは当然として、意外な盲点が酸味です。スポーツドリンクやビタミンC入りの飲料、柑橘類の果物は炎症を起こした喉に激しくしみるため、痛みがひどい時は避けた方が無難です。おすすめはハチミツを溶かしたぬるま湯や、冷ましたポタージュスープ、柔らかく煮込んだうどんです。ハチミツには天然の殺菌作用と粘膜保護作用があり、スプーン1杯をそのままゆっくりと喉に留めるようにして飲み込むのも有効です。また、市販ののど飴やトローチも活用しましょう。特に抗炎症成分や殺菌成分が含まれている指定医薬部外品や第2類医薬品のものを選ぶと、一定の鎮痛効果が期待できます。さらに、物理的な冷却も検討の価値があります。首の外側、喉仏のあたりを冷たいタオルや保冷剤で優しく冷やすことで、内部の血流を抑えて炎症による腫れを鎮めることができます。ただし、冷やしすぎると筋肉がこわばるため、10分程度の短い時間で調整してください。そして、精神的なリラックスも欠かせません。痛みに意識が集中すると余計に苦しく感じてしまうため、好きな音楽を聴いたり動画を見たりして、できるだけ脳を痛みのストレスから解放してあげることが大切です。もし、水分が全く摂れなくなり、尿の量が極端に減ったり、呼吸が苦しくなったりした場合は、自宅療養の限界ですので、迷わず自治体の相談窓口や救急外来へ連絡してください。喉の痛みは体がウイルスと戦っている証拠です。これらの工夫を組み合わせることで、最も辛い時期を少しでも穏やかに乗り切り、1日も早い完治を目指しましょう。