気象の変化によって起こる頭痛やめまい、倦怠感などの不調は、多くの場合「気象病」として認識されがちですが、中には他の病気が隠れている可能性も否定できません。自己判断で「いつもの気象病だから」と放置してしまうと、重大な疾患の発見が遅れることにもなりかねません。そのため、症状が続く場合や、普段とは違う強い症状が現れた場合には、適切な診療科を受診し、正確な診断を受けることが重要です。例えば、激しい頭痛や突然の頭痛、手足のしびれや麻痺、ろれつが回らないといった症状は、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血といった脳血管障害のサインである可能性があります。この場合は、直ちに神経内科や脳神経外科、あるいは救急外来を受診する必要があります。めまいに関しても、回転性の激しいめまいが続く場合は、メニエール病や良性発作性頭位めまい症といった内耳の疾患が考えられ、耳鼻咽喉科の専門的な診断が必要です。また、動悸や息切れ、胸の痛みを伴う場合は、心臓疾患の可能性も考慮し、循環器内科を受診することが勧められます。関節の腫れや痛みが持続する場合は、関節リウマチなどの膠原病の可能性もあり、リウマチ科や整形外科での検査が求められます。気分の落ち込みや不安感が強く、日常生活に支障をきたすほどの精神的な不調は、うつ病や不安障害といった精神疾患の初期症状であることもあります。この場合は、心療内科や精神科への相談が適切です。さらに、甲状腺機能異常症や貧血、更年期障害なども、気象病と似たような倦怠感や体調不良を引き起こすことがあります。これらの疾患は、内科や婦人科などで血液検査などを行うことで診断がつきます。このように、気象病と似た症状を示す疾患は多岐にわたります。まずはかかりつけの内科や総合診療科を受診し、症状を詳しく伝え、必要な検査を受けた上で、適切な専門科を紹介してもらうのがスムーズな方法と言えるでしょう。安易な自己判断は避け、専門家の意見を求めることが大切です。