社会人や学生にとってインフルエンザに感染した際に最も気になるのはいつから職場や学校に戻れるのかという社会復帰のタイミングです。自然治癒を選択した場合薬による強引な解熱が行われないため体内のウイルス量が減少するペースは自身の免疫力に依存します。多くの公的機関や企業のガイドラインでは学校保健安全法の基準を準用しており発症した後5日が経過し、かつ解熱した後2日が経過していることが最低条件とされています。この5日と2日という数字には医学的な根拠がありインフルエンザウイルスは発症前日から発症後3日から5日程度までは強い感染力を持って排出され続けるためです。たとえ本人が元気だと感じていても喉や鼻の奥にはまだウイルスが存在しており周囲に感染を広げるリスクがあるためこの期間は自宅待機を貫くのが社会的なマナーです。自然治癒を目指す場合は解熱までの時間が人によってバラつくため必然的に社会復帰までの期間も変動します。例えば月曜日に発症し木曜日に解熱した場合は発症後5日目にあたる土曜日かつ解熱後2日目にあたる土曜日の両方を満たす日曜日の翌日、つまり翌週の月曜日からの復帰が可能になります。しかしもし解熱が土曜日までずれ込んだ場合はたとえ発症から5日が経過していても解熱後2日の条件を満たさないため火曜日以降の復帰となります。このように自然治癒では回復の遅れがそのまま社会復帰の遅れに直結することを覚悟しておく必要があります。また復帰初日は病み上がりで著しく体力が低下しているためフルタイムの勤務や激しい運動は避け、定時で退社するなどの調整を行うことが再発や二次感染を防ぐために重要です。職場への報告の際には受診の有無や検査の結果を伝えるのが一般的ですが自然治癒のために受診しなかった場合でも現在の体温の推移を正確に伝えることで周囲の安心を得ることができます。最近ではテレワークが普及したことにより体調さえ良ければ解熱直後から仕事を再開しようとする人もいますがディスプレイを見る作業は意外にも脳に負担をかけ自律神経の回復を妨げるため推奨されません。完全に症状が消え、睡眠と食事がしっかりと摂れるようになって初めて、社会という戦場に戻る資格が得られるのです。社会復帰は単なるカレンダー上の計算ではなく自分自身の体の声と社会への責任のバランスの上に成り立つものであることを忘れてはいけません。
インフルエンザの自然治癒にかかる期間と社会復帰の目安