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軽い手足口病の時の保育園や登園の目安
子どもの手足に数個の発疹。熱もなく食欲もあって元気いっぱい。このようなごく軽い症状の手足口病の場合、保護者として最も悩むのが「保育園や幼稚園に登園させて良いのかどうか」という問題でしょう。仕事の都合もありできれば休ませたくないというのが本音かもしれません。手足口病の登園に関する基準はどのように考えれば良いのでしょうか。まず法律上の扱いから見てみましょう。手足口病はインフルエンザや水疱瘡のように学校保健安全法で「出席停止期間」が明確に定められている感染症ではありません。「その他の感染症」に分類されておりその登園基準は一律ではなく、基本的には医師の診断と各保育園や自治体の方針に委ねられています。しかし多くの小児科医や保育園で共通の目安とされているのが「解熱し食欲があり全身状態が良いこと」です。つまり熱がなく普段通りにご飯が食べられて元気に遊べる状態であれば、たとえ手足にまだ少し発疹が残っていても登園は可能と判断されることが多いのです。これは手足口病が症状が治まった後も長期間にわたって便からウイルスが排出され続けるという特性を持つため、症状だけで完全に感染力を判断するのは現実的ではないという背景があります。ただしこれはあくまで一般的な目安です。特に口の中にできた口内炎の痛みが強く食事が十分に摂れていない場合や、発疹を気にして機嫌が悪く集団生活を送るのが本人にとって負担になるような場合は、たとえ熱がなくてもお休みさせるべきでしょう。そして最も重要なのは自己判断で登園を再開しないということです。必ず一度は小児科を受診し医師に「手足口病である」という診断を確定してもらい、その上で「集団生活に支障はないか」「登園は可能か」という専門的な判断を仰いでください。園によっては医師による「登園許可証」や「治癒証明書」の提出を求められる場合もあります。症状が軽いからといって安易に登園させることが園内での集団感染の引き金になる可能性も十分にあります。子どもの体調と集団生活のルールその両方を考慮した責任ある行動が求められます。