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  • 花粉症を完治に導く舌下免疫療法とは

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    毎年薬で症状を抑えるだけの対症療法にうんざりしている。そんな花粉症患者にとって大きな希望となっているのが「アレルゲン免疫療法」です。これはアレルギーの原因となる物質を少量から体に投与し続け、徐々に体をアレルゲンに慣らしていくことでアレルギー反応そのものを根本から改善させる唯一の治療法です。そしてこのアレルゲン免疫療法の中でも近年、自宅で手軽に行えるとして急速に普及しているのが「舌下免疫療法」です。舌下免疫療法はその名の通りアレルゲンのエキスが含まれた錠剤や液体を、舌の下に投与する方法です。具体的には毎日一回薬を舌の下に置き、1~2分間そのまま保持した後飲み込みます。この舌の下の粘膜は免疫細胞が豊富に集まっている場所であり、かつ消化酵素の影響を受けにくいためアレルゲンが効率よく体内に吸収され、免疫システムに働きかけることができるのです。この治療の最大の目的は「免疫寛容」を誘導することにあります。免疫寛容とは特定の物質に対して免疫システムが過剰な攻撃反応を起こさなくなる状態を指します。舌下からアレルゲンを毎日少量ずつ継続的に取り込むことで免疫システムに「これは敵ではなく無害なものですよ」と繰り返し教え込み、花粉に対する免疫の「勘違い」を根気よく修正していくというイメージです。この治療には長い期間が必要です。効果を実感するまでに数ヶ月から一年、そして治療を完了しその効果を定着させるためには少なくとも3年から5年間の毎日の継続が推奨されています。しかしその先には大きな恩恵が待っています。治療を完了した人の約8割が症状の大幅な改善を実感し、中には薬が全く不要になるいわゆる「完治」に近い状態になる人も少なくありません。また将来的に新たなアレルギーを発症するのを予防する効果も期待されています。これは単に症状を抑えるだけでなくアレルギー体質そのものを改善させる根本的な治療法なのです。