RSウイルス感染症にかかると、高熱や咳、鼻水といった身体的な症状だけでなく、子どもの機嫌や食欲にも大きな変化が現れることがあります。急性期には、高熱や体の辛さから、ぐずったり、泣きやまなかったり、普段よりも甘えん坊になったりすることがよくあります。食欲も低下し、水分さえもあまり摂りたがらないことも少なくありません。では、治りかけの時期になると、これらの機嫌や食欲はどのように変化していくのでしょうか。一般的には、熱が下がり始めるとともに、少しずつ機嫌も上向きになり、食欲も徐々に戻ってくる傾向があります。しかし、回復のペースには個人差があり、熱が下がってもすぐには本調子に戻らないことも珍しくありません。特に、咳や鼻水が長引いている場合は、それらの不快感から、まだ機嫌が悪かったり、食欲が完全には回復しなかったりすることがあります。例えば、咳き込んで吐いてしまうことを恐れて食事を嫌がったり、鼻詰まりで味が分かりにくくなって食が進まなかったりすることもあります。また、病気で体力を消耗しているため、普段よりも疲れやすく、すぐに眠たがったり、些細なことで不機嫌になったりすることもあるでしょう。治りかけの時期の機嫌や食欲の変化で注意すべき点は、一度は改善傾向にあったものが再び悪化する場合です。例えば、機嫌が良かったのに急にぐったりして元気がなくなったり、食欲が戻りかけていたのに全く食べなくなったりした場合は、合併症(肺炎や中耳炎など)を起こしている可能性や、脱水症状が進行している可能性も考えられるため、速やかに医療機関を受診する必要があります。保護者としては、治りかけの時期であっても油断せず、子どもの様子を注意深く観察し、焦らずに回復を見守ることが大切です。食事は、消化が良く、喉越しの良いものを少量ずつ、本人のペースに合わせて与えるようにしましょう。そして何よりも、子どもが安心して休めるように、温かく寄り添ってあげることが、心身の回復を促す上で重要になります。