RSウイルス感染症の急性期には、三十八度以上の高熱が出ることが多いですが、解熱後も微熱(三十七度台)が数日間続くことがあります。この「治りかけの微熱」は、体がまだウイルスと戦っている状態、あるいは炎症が完全に治まりきっていない状態を示している可能性があります。微熱が続く場合、まず大切なのは子どもの全身状態をよく観察することです。機嫌が良く、食欲もあり、水分もきちんと摂れていて、普段と変わりなく遊べているようであれば、過度に心配する必要はありません。この場合は、無理をさせずに十分な休息と水分補給を心がけ、自宅でゆっくりと過ごさせてあげましょう。しかし、微熱であっても、ぐったりしている、顔色が悪い、食欲がない、呼吸が苦しそう、咳がひどいといった他の症状を伴う場合は注意が必要です。RSウイルス感染症は、細気管支炎や肺炎といった重篤な合併症を引き起こすことがあるため、これらの症状が見られたら速やかに医療機関を受診してください。また、一度は完全に解熱した後に再び微熱が出始めた場合や、微熱が長期間(例えば一週間以上)続く場合も、二次的な細菌感染(中耳炎や副鼻腔炎、肺炎など)を合併している可能性や、他の病気が隠れている可能性も考えられるため、医師の診察を受けるのが賢明です。医療機関を受診する際には、いつから微熱が続いているのか、他の症状はあるか、水分や食事の摂取状況、機嫌の良し悪しなどを具体的に医師に伝えることが大切です。医師は、これらの情報と診察所見を総合的に判断し、必要な検査(血液検査やレントゲン検査など)を行ったり、適切な治療法を提案したりしてくれます。治りかけの微熱は、多くの場合、時間とともに自然に解熱していきますが、油断せずに子どもの状態を注意深く見守り、心配なサインを見逃さないようにすることが重要です。