境界型糖尿病と診断されるには、特定の血糖値の基準を満たす必要があります。この診断基準と、それに用いられる検査方法について理解しておくことは、自身の健康状態を把握する上で非常に重要です。境界型糖尿病の診断は、主に空腹時血糖値と75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)の結果に基づいて行われます。空腹時血糖値は、最後の食事から少なくとも10時間以上絶食した状態で採血し、血糖値を測定する検査です。この値が110mg/dL以上126mg/dL未満の場合、境界型糖尿病の可能性があります。ただし、空腹時血糖値だけでは、食後の血糖値の異常を見逃してしまうことがあるため、より正確な診断のためには75gOGTTが推奨されます。75gOGTTは、まず空腹時血糖値を測定した後、ブドウ糖75gを溶かした検査用の液体を飲み、その後30分、1時間、2時間後に採血して血糖値の変動を調べる検査です。この検査で、2時間後の血糖値が140mg/dL以上200mg/dL未満の場合に境界型糖尿病と診断されます。なお、空腹時血糖値が126mg/dL以上、または75gOGTTの2時間値が200mg/dL以上になると、糖尿病と診断されます。また、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という検査項目も参考にされます。HbA1cは、過去1~2ヶ月の平均的な血糖状態を反映する指標で、この値が6.0%以上6.5%未満の場合も、境界型糖尿病の可能性が考慮されます。ただし、HbA1cだけでは境界型糖尿病の確定診断はできません。これらの検査は、主に健康診断や人間ドックで実施されたり、糖尿病が疑われる場合に医療機関で行われたりします。もし健康診断で血糖値の異常を指摘されたり、家族に糖尿病の方がいたり、肥満や運動不足といったリスク因子があったりする場合には、積極的にこれらの検査を受け、自身の血糖状態を正確に把握することが大切です。
境界型糖尿病診断基準と検査方法