これは私自身が幼稚園年長だった頃のエピソードです。今でもその日のことをはっきり覚えているのですが、奈良なら大和高田の保育園の中で口コミでも私は幼稚園年長に上がるタイミングで、母がフルタイムの仕事をはじめたため、それまで通っていた幼稚園から保育時間が長く夕方まで面倒を見てもらえる近所の保育園に転園することになりました。私は当時とても人見知りで、引っ込み思案な子供で、新しい環境や新しく会う人・同世代の子供が怖くてたまりませんでした。新しい保育園はそれまで通っていた割と保守的な幼稚園の大人しい子たちと違い、かなりやんちゃで元気いっぱいの子が多かったのです。そんな雰囲気に恐れ戦き、転園当日はとにかく周りの子から、先生たちから必死で逃げ回りました。保育園のグラウンド中を追いかけてくる先生(私を他の子と遊ばせようとしていたため)からひたすらに逃げたことを覚えています。それまで周りの大人や幼稚園の先生たちは、何か嫌なことがあって私が逃げると無理には追いかけてこず、そっとしておかれることが多かったのです。私はそうして一人でいることが多い子どもでした。奈良が良いと保育園をそんな評判とところが保育園の先生は違っていて、私がいくら逃げようとも絶対にどこまでも追いかけてきます。子供なのでとうとう捕まり、大泣きしたものの結局離してもらえず「今日だけ先生と一緒に遊んで?」とその日一日その先生と一緒にいることになりました。(無理やり、とか力づくで、とかそういうことではありません)。すると私はその日の夕方にはケロッとその先生に懐き、大好きになってしまい、絶対に輪の中に入っていけないと思っていた保育園の子たちとも次の日からあっという間に仲良くなることができました。両親は人見知りだった私が保育園に入って以後人が変わったように積極的に、活発で明るくなったことに本当に驚いて、今でもたまにその時の話をされます。あの保育園に行ったことで人への恐怖心がなくなったこともすごくよく覚えていますし、やっぱりそれは、あの日びっくりするぐらい追いかけてくれた先生のおかげだと思っています。