RSウイルス感染症は、感染力が非常に強く、特に乳幼児が集団生活を送る保育園などでは、あっという間に感染が拡大することがあります。保護者の方が気になるのは、「治りかけの状態でも他の子にうつしてしまうのか」「いつから登園させても良いのか」という点でしょう。RSウイルスは、主に咳やくしゃみなどの飛沫感染や、ウイルスが付着したおもちゃや手などを介した接触感染によって広がります。ウイルスの排出期間は、一般的に発症後三日から八日間程度とされていますが、乳幼児や免疫力が低下している人の場合は、三週間から四週間と長期間にわたってウイルスを排出し続けることがあると言われています。つまり、熱が下がり、咳や鼻水などの症状がだいぶ落ち着いてきた「治りかけ」の時期であっても、まだウイルスを排出している可能性があり、他の人に感染させるリスクは残っていると考えられます。しかし、現実的には、ウイルスを完全に排出しなくなるまで登園を控えるというのは困難です。そのため、厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」では、RSウイルス感染症の登園目安として、「呼吸器症状が消失し、全身状態が良いこと」とされています。具体的には、咳や鼻水がほとんどなくなり、ゼーゼーといった喘鳴もなく、普段通り元気に遊べて、食欲も戻っている状態であれば、登園を検討しても良いでしょう。ただし、これはあくまで一般的な目安であり、最終的な登園の判断は、かかりつけの小児科医の指示に従うことが最も重要です。医師は、子どもの症状の経過や全身状態、そして周囲への感染リスクなどを総合的に考慮して、登園の可否を判断してくれます。また、保育園によっては独自の登園基準を設けている場合や、登園許可証(治癒証明書)の提出を求められる場合もありますので、事前に保育園にも確認しておくことが大切です。治りかけの時期は、まだ体力が完全に回復していないことも多いため、無理のない範囲で少しずつ集団生活に慣らしていくようにしましょう。
RSウイルス治りかけでもうつる?登園目安