気象病は、天候や気圧の変化が引き金となって現れる様々な身体的・精神的な不調の総称であり、特定の検査数値で診断が確定するような病気ではありません。そのため、診断は主に問診と症状の経過、そして他の疾患を除外することによって行われます。では、このような気象病の診断と治療は、具体的に何科で受けることができるのでしょうか。前述の通り、気象病を専門とする診療科はまだ確立されていませんが、症状に応じて様々な診療科が対応しています。まず、症状日記(いつ、どのような天候で、どんな症状が出たかを記録したもの)を持参し、かかりつけの内科や総合診療科を受診するのが最初のステップとして考えられます。医師は、症状のパターンや生活習慣、既往歴などを詳しく聞き取り、気象病の可能性を探ります。同時に、血液検査や尿検査、必要に応じて心電図検査などを行い、他の内科的疾患が隠れていないかを確認します。もし、特定の症状が顕著であれば、それぞれの専門科を紹介されることになります。例えば、頭痛が主であれば神経内科、めまいが主であれば耳鼻咽喉科、関節痛が主であれば整形外科、精神的な不調が主であれば心療内科や精神科といった具合です。これらの専門科では、それぞれの分野での精密な検査(MRI、平衡機能検査、レントゲンなど)が行われ、より専門的な診断と治療が提供されます。気象病の治療は、主に症状を和らげる対症療法と、自律神経のバランスを整えることを目的とした生活習慣の改善指導が中心となります。薬物療法としては、頭痛薬、めまい止め、吐き気止め、抗不安薬、漢方薬などが症状に応じて処方されます。生活指導では、規則正しい睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動、ストレスマネジメントなどが推奨されます。最近では、気象病のメカニズムに関する研究も進み、一部の医療機関では気象病外来を設けて、より専門的なアプローチを行っているところもあります。情報を集め、自分に合った医療機関を見つけることも大切です。
気象病の診断と治療何科で受けられるか