RSウイルス感染症は、一度かかると生涯免疫ができるわけではなく、何度も再感染する可能性がある感染症です。特に乳幼児期には、短い期間に複数回感染することも珍しくありません。また、治りかけたと思っていたのに、再び症状が悪化する「ぶり返し」も起こり得ます。まず、「ぶり返し」についてですが、これはRSウイルス感染症そのものが再燃するというよりは、体力が低下しているところに、二次的な細菌感染(例えば、中耳炎、副鼻腔炎、細菌性肺炎など)を合併することで、再び発熱したり、咳や鼻水が悪化したりするケースが多いと考えられます。RSウイルスによって気道粘膜が傷つくと、細菌が侵入しやすくなるためです。一度は症状が軽快したのに、再び高熱が出たり、咳がひどくなったり、ぐったりしたりするような場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な治療を受ける必要があります。次に、「再感染」についてです。RSウイルスには複数の型があるわけではありませんが、感染によって獲得できる免疫が不完全であったり、持続期間が短かったりするため、同じシーズン内でも再感染することがあります。ただし、一般的には、再感染の場合は初感染時よりも症状が軽くなる傾向があると言われています。しかし、高齢者や基礎疾患を持つ人にとっては、再感染であっても重症化するリスクがあるため注意が必要です。RSウイルス感染症の治りかけの時期は、まだ免疫力が完全に回復していないため、他の感染症にもかかりやすい状態です。人混みを避けたり、手洗いやうがいを徹底したりするなど、基本的な感染予防策を続けることが大切です。もし、治りかけの時期に再び体調が悪化した場合は、自己判断せずに医師に相談し、それが「ぶり返し」なのか「再感染」なのか、あるいは別の感染症なのかを正確に診断してもらうことが重要です。適切な対処をすることで、症状の悪化を防ぎ、スムーズな回復を目指しましょう。
RSウイルス治りかけのぶり返しと再感染