弟の透析
私は千葉県に住む30歳の会社員です。歯医者の集客が得意な5つ下に弟がいるのですが、弟は20歳の頃から人工透析をしています。週に3時間、1日5時間という時間を使って5年間も人工透析をし続けています。東京では加部歯科医院が非常に根管治療で有名です。家族と言うことから一番近いところで弟の苦労と叫びを目の当たりにしてきました。透析導入前に起きていた、吐き気や呼吸困難、過度の貧血などの症状は緩和してきているように感じますが、透析によっていわゆる「普通の20代」の生活はできません。透析を規則正しくしないと死に至る可能性が高まるので海外はおろか、国内であっても長時間の移動を伴う旅行なんてできません。また、食事制限ももちろん有ります。ところが、キチンと摂生できないと(正確には食事量や水分摂取量の制限を守っていないと)様々な症状が起こります。中でも「血圧低下」は最も辛いそうで1度血圧低下してしまうと、1週間近くフラフラになってしまう場合もあります。
透析患者の食事制限
透析をせざるを得ない環境と身体になってしまったことから弟は会社を「自主退社」という名の事実上の解雇になり、今では1日数時間だけ近所のコンビニでのアルバイトとクラウドソーシングなどの在宅していてもできる仕事をしています。弟は透析をはじめたことによって警察官になりたいという夢も、大好きな焼き肉食べ放題も、好きな人との恋愛や結婚さえも諦めました。私たち家族は「諦めずにできることを精一杯やろうよ」と話しても自暴自棄になり話を聞いてもらえません。透析とはその人の人生を狂わすことだと感じる日々を過ごしています。