保育園では、子どもたちが集団で生活するため、様々な感染症が流行することがあります。特に発疹を伴う感染症は、見た目が似ていることもあり、保護者や保育士が「これは何の発疹だろう?」と迷うことも少なくありません。突発性発疹もその一つですが、他の代表的な発疹症との違いを理解しておくことは、適切な対応に繋がります。突発性発疹の最大の特徴は、まず高熱が三~四日続き、熱が下がるのとほぼ同時に、お腹や背中を中心に顔や手足にも赤い発疹が現れるという経過です。発疹自体にかゆみはほとんどなく、数日で自然に消えていきます。また、比較的機嫌が良いことが多いのも特徴の一つです(不機嫌になる子もいます)。一方、麻疹(はしか)は、高熱とともに咳、鼻水、目の充血といったカタル症状が現れ、その後、口の中にコプリック斑という白い斑点が出現し、解熱する頃に耳の後ろや顔から全身に発疹が広がります。発疹は融合する傾向があり、色素沈着を残して治ることがあります。感染力が非常に強く、重症化しやすい疾患です。風疹(三日ばしか)は、発熱と同時に、あるいはやや遅れて、顔や首から全身に細かい淡紅色の発疹が広がります。耳の後ろや首のリンパ節が腫れるのが特徴的です。発疹は三日程度で消えることが多いですが、成人では関節痛を伴うこともあります。水痘(みずぼうそう)は、赤い小さな発疹から始まり、それが水疱(水ぶくれ)になり、かさぶたになって治るという経過をたどります。強いかゆみを伴い、新しい発疹と古い発疹が混在するのが特徴です。これらの発疹症は、それぞれ潜伏期間や感染経路、登園基準などが異なります。保育園で発疹のある子どもが出た場合、保育士はまずその子の全身状態(熱の有無、機嫌、食欲など)を観察し、保護者に連絡して医療機関の受診を促します。自己判断はせず、必ず医師の診断を受けることが重要です。医師は、発疹の性状や分布、その他の症状を総合的に見て診断を下します。
突発性発疹と他の発疹症保育園での見分け方