喉の奥に感じる強い痛み、食べ物や飲み物を飲み込む際の激しい苦痛、そして高熱。これらは扁桃炎の典型的な症状であり、医療機関を受診すべき重要なサインと言えます。扁桃炎は、多くの場合、急激に症状が進行します。最初は喉のいがらっぽさや軽い痛み程度だったものが、数時間から半日程度で強い痛みに変わり、唾を飲み込むのも辛くなることがあります。この嚥下痛は扁桃炎の大きな特徴の一つです。同時に、体温も上昇し、三十八度以上の高熱が出ることも珍しくありません。発熱に伴い、頭痛、関節痛、全身の倦怠感、悪寒などを感じることもあります。扁桃を直接見てみると、赤く腫れあがり、白い膿(白苔)が付着しているのが観察されることもあります。また、顎の下や首のリンパ節が腫れて痛むこともあります。これらの症状が一つでも当てはまる場合、特に嚥下痛と発熱が顕著な場合は、早めに医療機関を受診することを強くお勧めします。受診する診療科としては、耳鼻咽喉科が最も専門的ですが、かかりつけの内科や、子どもの場合は小児科でも対応可能です。早期に適切な診断を受け、原因菌やウイルスに応じた治療を開始することが、症状の悪化を防ぎ、合併症を予防するために非常に重要です。例えば、細菌性の扁桃炎の場合には抗菌薬の投与が必要となりますが、ウイルス性の場合は抗菌薬は効果がなく、対症療法が中心となります。この判断は医師が行うべきものです。市販の風邪薬や鎮痛剤で一時的に症状を抑えようとしても、根本的な解決にはならず、かえって治療が遅れてしまう可能性もあります。特に、呼吸が苦しい、水分が全く摂れない、症状が急速に悪化するといった場合は、扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍といった重篤な合併症を引き起こしている可能性もあるため、速やかに医療機関を受診してください。我慢せずに、専門家のアドバイスを求めることが大切です。
喉の痛みと発熱扁桃炎の受診サイン