天気や気圧の変化によって頭痛、めまい、倦怠感、関節痛といった様々な不調が現れる気象病。近年、その存在が広く知られるようになり、悩みを抱える方も増えています。しかし、いざ医療機関を受診しようと思っても、「何科に行けば良いのだろう?」と迷ってしまうのではないでしょうか。気象病は、特定の臓器の病気というよりは、自律神経の乱れが大きく関わっていると考えられています。そのため、気象病を専門とする明確な診療科というのは、現在のところ確立されていません。しかし、症状に応じて相談できる診療科はいくつかあります。まず、最も代表的な症状である頭痛が強い場合は、神経内科や脳神経外科が選択肢となります。これらの科では、頭痛の原因を詳しく調べ、他の重大な疾患(脳腫瘍や脳血管障害など)が隠れていないかを確認した上で、適切な治療法を提案してくれます。めまいや耳鳴りが主な症状であれば、耳鼻咽喉科が良いでしょう。内耳の機能異常やメニエール病など、めまいの専門的な診断と治療を受けることができます。関節痛や古傷の痛みが悪化する場合は、整形外科やかかりつけのリウマチ科(膠原病科)に相談してみましょう。気分の落ち込みや不安感、不眠といった精神的な症状が強い場合は、心療内科や精神科が適切な相談先となります。また、特定の症状に特化せず、全身的な不調や自律神経の乱れを総合的に診てほしいという場合には、総合診療科やかかりつけの内科も良いでしょう。これらの医師は、症状を多角的に評価し、必要に応じて専門の診療科を紹介してくれます。最近では、気象病に理解のある医師や、専門外来を設けている医療機関も徐々に増えてきています。事前に医療機関のホームページなどで情報を確認してみるのも一つの方法です。大切なのは、一人で抱え込まず、まずは医療機関に相談してみることです。