子どもが喉の痛みを訴え、熱を出した場合、扁桃炎を疑う保護者の方は多いでしょう。その際、小児科を受診すべきか、それとも耳鼻咽喉科を受診すべきか、迷うことがあるかもしれません。どちらの診療科も扁桃炎の診断と治療に対応していますが、状況に応じた選び方のポイントがあります。まず、子どもの年齢が低い場合、特に乳幼児であれば、第一選択は小児科となるでしょう。小児科医は子どもの成長発達全般を理解しており、扁桃炎だけでなく、他の小児特有の疾患との鑑別も含めて総合的に診察してくれます。また、全身状態の管理や、子どもに対する薬の処方にも慣れています。発熱や咳、鼻水など、風邪のような症状が主体で、比較的軽症と思われる場合も、まずはかかりつけの小児科で相談するのが一般的です。一方で、喉の痛みが非常に強い、飲み込むのが困難で食事が摂れない、いびきがひどい、呼吸が苦しそう、あるいは扁桃炎を何度も繰り返しているといった場合には、耳鼻咽喉科の受診を検討するのが良いでしょう。耳鼻咽喉科では、専門的な器具を用いて扁桃の状態をより詳細に観察し、膿の吸引や洗浄といった処置を行うことも可能です。また、扁桃炎を繰り返す場合や、アデノイド肥大、睡眠時無呼吸症候群などが疑われる場合には、扁桃摘出術やアデノイド切除術といった外科的治療の相談もできます。小児科を受診し、そこで耳鼻咽喉科的な専門治療が必要と判断された場合に、紹介状を書いてもらい耳鼻咽喉科を受診するという流れも一般的です。重要なのは、子どもの症状をよく観察し、どの程度の緊急性があるかを見極めることです。高熱が続く、ぐったりしている、水分も受け付けないといった場合は、速やかに医療機関を受診してください。どちらの科を受診するにしても、医師に症状を正確に伝え、適切な指示を仰ぐことが大切です。保護者の不安を解消するためにも、遠慮なく質問し、納得のいく説明を受けるようにしましょう。